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FP2級の勉強法⑦ 意外と楽しい?「相続・事業承継」

FP2級の勉強法⑦ 意外と楽しい?「相続・事業承継」

皆さん、こんにちは!
知名度上昇中のFP2級の勉強法について、全7回にわたりご紹介してきたこの連載も最終回。今回はFP2級の試験科目のうち「相続・事業承継」の勉強法についてお伝えします。

この科目では主に相続税や贈与税などを学ぶのですが、前回の「不動産」などと比べると比較的なじみのある言葉ではないでしょうか。よくドラマで資産家が亡くなった時に「遺言」とか「相続、贈与」なんて言葉が出てきますよね。
どのように勉強を進めていったらよいか、一緒に確認しましょう。

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「相続・事業承継」FP3級と2級ではどう違う?

他のテーマと同様、「相続・事業承継」についても、基本的な内容は3級と2級で大きな違いはありません。ただし、2級になると3級よりも深堀りした出題方法になるのに加え、会社の「事業承継」が新たに登場します。

ですが、メインは相続と贈与ですので、勉強のコツは「しっかりと基礎を押さえておく」ことが重要です。そこから「この場合はどうなるのだろう?」と知識を広げていくようにすると難しくありません。

そして、2級の試験では、1つの事柄だけでなく体系的に知識を整理しておく必要が出てきます。相続税の死亡保険金の非課税限度額についての問題を例に見てみましょう。

3級では、以下のように正誤を問う内容で出題されています。

正しいものまたは適切なものには①を、誤っているものまたは不適切なものには②を、解答用紙にマークしなさい。

法定相続人が4人いる場合、相続税額の計算において、死亡保険金の非課税限度額は「600万円×法定相続人の数(4人)」の算式により算出する。
(出典:2020年1月3級学科試験 第1問(29))

しかし、2級になると、1つの問題でさらに幅広い知識が問われる出題がされます。

相続税の非課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1.業務上の死亡による死亡退職金の非課税限度額は、被相続人に係る賞与以外の普通給与の3年分相当額である。
2.相続の放棄をした者が受け取った死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができない。
3.死亡保険金の非課税限度額は、「500万円×法定相続人の数」の算式により計算した金額である。
4.相続人が、相続または遺贈により取得した財産のうち、相続税の申告期限までに国に寄附(贈与)した財産の価額は、原則として、相続税の課税価格に算入されない。
(出典:2018年9月2級学科試験 問題56)

非課税限度額の計算方法だけでなく、より広く深く学んでおかなければ解答できないということがわかりますね。

では、「相続・事業承継」のメインとなる「相続」「贈与」、そしてFP2級ならではの「事業承継と対策」「事業と経営」についての学習のポイントについて見ていきましょう。

FP2級の学習ポイント① その時は必ずやってくる「相続」と相続税

相続についてよく出題されるのは、誰が相続人になるかの「相続順位」や誰がどの程度の割合で金額を受け取れるかの「法定相続分」です。
特に法定相続分の計算には「分数」が使用され配偶者や両親、子供の人数によって大きく変動します。ここは覚えやすいところだと思いますので、テストで落とさないようにしたいですね。

また、相続にともない課税される「相続税」に関しては、税額の計算方法はもちろん、資産の評価のしくみや控除についても学びます。基本の計算方法を覚えたうえで、様々なケースを実際に試算してみることがマスターへの早道です。

相続問題は必ずやってくる身近な問題です。「自分や自分の両親は財産がないから関係ない」と思っている方は要注意。ほとんどの方は何かしらの財産を所有していますし、仮に相続額が0円だとしても申告が必要になる場合もあります。

その他にも遺言状の効力や内容、相続を放棄するには?といった、自分の将来に必ず役立つ内容がたくさん含まれていますので、自分に置きかえてテキストを読むことがおすすめの勉強法です。

FP2級の学習ポイント② もらっても税金「贈与税」

相続税もそうですが、贈与税といって、生きている個人から財産を貰った場合に発生する税金もあります。でもよくよく考えてみてください。

子供の時にお年玉をもらったとき、結婚式のご祝儀やお葬式のお香典に、贈与税は発生していないですよね?大学の入学金や授業料でまとまったお金をもらった場合もそうです。

贈与税にもルールがあって、基本的には〇〇円までの贈与や、ご祝儀やお香典などの社会通念上必要な贈与に対して、贈与税を取らないと決められています。

普段はなかなか気にすることがない「贈与」ですが、これをきっかけにどうしてこれは贈与税がかかるのだろう?もしくはかからないのだろう?と興味をもってテキストを読むことで内容をしっかりインプットできるようになりますよ。

ここではあえて金額や条件は記載しません。
ぜひ、興味をもってテキストを開いたり、講義などを聞いたりしてください。2級では、特例や課税関係の出題が増えますので、より詳しく見ていくようにしてくださいね。

付け焼刃の暗記ではなく、どうして?なぜ?を自分なりに解決できるとどんな形での出題でも対応できるようになりますし、その知識が人生のメリットにつながります。

FP2級の学習ポイント③ 2級ならでは!事業承継対策、事業と経営

FP2級になると、事業承継対策、事業と経営という項目が新たに増えてきます。しかし恐れることはありません。

勉強法としては、要は自分や自分の親が会社の経営者だったら?という視点に切り替えてテキストを開くことです。そうすることで「だからそうなんだ」「じゃあこの場合はこうなるのだな」と自分なりに納得できる部分が多くなるはず。

また、「相続・事業承継」では「株式」という項目もでてきますが、「金融資産運用」の科目でも出てくる内容となります。このようにFP2級の科目では科目毎が独立しているように見えますが、点と点が線となる部分も多くあります。

理解を深めるためにもぜひ確認してみてください。

FP2級の勉強法

今回の「相続・事業承継」でFP2級、各科目すべての勉強法をご紹介してきました。

それぞれの科目には特徴がありますが、効果的な勉強法として共通しているのは
① 自分に置きかえて「興味、親近感」を持つこと
② 法改正に対応するため「生の情報を仕入れる」こと
この2点です。

親近感をもってテキストを開いたり講義を聞いたりすれば、血となり肉となる知識が身に付きます。

今回は実技試験に関する対策は紹介しませんでしたが、実技試験は学科試験に対応できる知識があれば、しっかりと戦うことができます。
実技試験とは例えば、Aさんは~だから〇〇したい。それに沿って、適切な解答を記入するストーリー形式の問題です。

問われる内容は学科試験とほとんど変わりませんが、資料や文章を読み取る「読解力」が必要となります。実技試験の対策としては、学科試験の知識プラス「読解力」を養うことができればさほど問題となりません。

FP2級の知識は、自分を守るための知識にもなりますので、ぜひ興味や親近感をもって勉強してみてください。

FP2級講座

参考URL:
https://www.jafp.or.jp/exam/mohan/files/g3_202001_q.pdf
https://www.jafp.or.jp/exam/mohan/files/g2_201809_q.pdf

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