新卒6年目、責任の重い仕事を任されるようになってきた中、筆者は限られた時間の中でFP2級に合格する必要がありました。FP3級合格後、限られた時間内で勉強時間をなんとか確保し、合計30~40時間程度の勉強時間でFP2級に合格!
この連載「FP2級出題傾向と攻略ポイント」では、筆者が多忙な仕事をしながらFP2級に合格した際、どのような攻略ポイントを重要視したかをご紹介します。第2回の今回は、FP2級の学科試験対策(後編)です。
FP2級の鉄板論点・学科試験対策(後編)
連載第1回では学科試験対策(前編)として、
① ライフプランニングと資産計画
② リスク管理
③ 金融資産運用
以上3科目の鉄板論点についてご紹介しました。
第2回となる今回は、残る3科目、
④ タックスプランニング
⑤ 不動産
⑥ 相続・事業承継
についての鉄板論点をお届けします。
鉄板論点|タックスプランニング
■所得税
所得税は申告納税方式の直接税であること、10種類に分類されること、税率は超過累進税率であることは選択肢でよく問われます。
FP2級では10種類の内訳や、所得ごとの税率を暗記する必要はありませんが、所得税がどのような仕組みとなっているかは押さえておきましょう。
■損益通算
赤字が生じた場合に他の所得と損益通算できる所得は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の4つです。
出題傾向としては、損益通算できる or できない の正誤形式の問題が出題される可能性が高くなっています。
■住宅借入金特別控除(住宅ローン控除)
住宅ローンを利用して住宅を購入もしくは増改築した場合、一定の要件に当てはまるときは所得税額から控除されます。FP2級ではこの「一定の要件」部分がよく問われます。
対象住宅の床面積が50平方メートル以上で1/2以上が自分の居住用であること、住宅ローンの返済年数が10年以上であること、控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること、について数字を覚えておくのが攻略ポイントです。
頻出問題なので直前対策として数字を復習するのも良いでしょう。
■申告期限
確定申告や青色申告の申告期限(翌年の3月15日まで)、法人税や消費税の申告期限(課税期間の終了の日の翌日から2か月以内)は、混同しないように覚えておきましょう。
鉄板論点|不動産
■固定資産税
固定資産税は毎年1月1日時点での土地・建物の所有者に対して課税されます。FP2級の攻略ポイントとしてこの日付は覚えておきましょう。
仮に1月に固定資産を売却しても、1月1日時点の所有者に1年分の固定資産税が課されるため、実務上は所有期間に応じて売主と買主で案分することが多いです。実務上のやりくりもあわせて覚えておけば、課税基準日が1月1日であることを忘れづらくなります。
■不動産登記
登記には公信力がありません。ある or ない の正誤が選択問題に出題されることがあるので、覚えておきましょう。
不動産登記簿謄本について、所有権は不動産登記簿謄本の権利部(甲区)、抵当権は不動産登記簿謄本の権利部(乙区)に記載されています。不動産登記簿謄本には他の権利に関する記載もありますが、出題傾向としては所有権や抵当権の記載箇所が頻繁に問われます。
■不動産売買契約時の手付金
不動産売買で買主が売主に手付金を支払う際、手付金は売買代金の2割を超えてはいけません。また、売主は「手付金の倍額を買主に支払う」ことで契約を解除でき、買主は「手付金を放棄する」ことで契約を解除できます。
「売主は手付金を返還することで契約を解除できる」等の誤った選択肢に惑わされないようにしっかり覚えておきましょう。
■区分所有法
区分所有法は、マンション等の集合住宅で生活する際のルールを定めた法律です。規約の変更や廃止には議決権の3/4以上の賛成、建替えには議決権の4/5以上の賛成、が必要となります。
どの決議には何分の何の議決権が必要なのか、割合を押さえておくのが攻略ポイントです。
■住宅用地の課税標準の特例
住宅用地に対しては固定資産税の課税標準を減額する特例があります。小規模住宅用地(200平方メートル以下)であれば1/6、200平方メートルを超える部分については1/3に減額されます。面積、減額割合ともに頻出です。
鉄板論点|相続・事業承継
■相続人と法定相続分
被相続人の配偶者は必ず相続人となります。相続の優先順位は配偶者に続いて、被相続人の子→親→兄弟姉妹の順です。
相続の優先順位とあわせて相続人の法定相続分が遺産の何割となるのかもFP2級では頻出です。相続分野の基礎知識として、「相続人となるための要件」、「法定相続分の割合」は押さえておきましょう。
■遺留分
遺留分とは、被相続人の遺言の内容に関わらず、法定相続人に最低限保証される遺産取得分のことです。遺留分の割合もFP2級では出題傾向が高いと言えます。基本的には、遺留分は法定相続分の半分と覚えておけばよいでしょう。
■贈与税と相続税の配偶者控除
贈与税の配偶者控除額は2,000万円、相続税の配偶者控除は1億6,000万円または法定相続分の多い方となります。どちらも金額が問われる出題傾向があります。
直前対策として金額を覚えておくだけでも効果的です。
連載「FP2級出題傾向と攻略ポイント」、第2回は、学科試験対策(後編)として、FP2級の出題傾向や攻略ポイントをご紹介しました。
不動産売買や相続については実生活ではまだ馴染みがない方も多いかもしれませんが、ご自身の家や親族構成に置きかえて考えてみると、より身近に感じられるでしょう。
次回の第3回は「実技試験対策(前編)」。FP協会での受験対策として、実技試験の攻略ポイントをご紹介します。
参考URL:
https://www.jafp.or.jp/exam/app/howto/files/outline_2fp.pdf
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