本日は、9月11日(日)に実施されたFP3級の試験解答(試験講評)をお届けします。 本試験を受験された方はもちろん、これからFP3級の資格取得を目指す方もぜひ、確認してみてください。
学科試験
今までの3級試験と比較して、質問の仕方に変化が見られため、若干難しく感じた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、相対的な難易度はこれまでと大きくは変わりません。
ライフ分野では、介護保険険法で介護サービスを受けた場合の自己負担割合は1割ですが、「合計所得金額の多寡にかかわらず」というようなフレーズがあり、単純に数字のみを暗記していた方は、戸惑ったかもしれません。
リスク分野では、基本的な仕組みを問う問題がほとんどで、頻出である「特定疾病保障定期保険」は、対象になる症状(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)を覚えていれば解答できる問題でした。
金融分野では、「利回り」、「為替レートからの円換算」、「名目金利と実質金利の高低」、「NISA口座の仕組み」等、基本事項と計算方法を踏まえていれば正解できた問題でした。一方で、「オプション」、「ポートフォリオ」等の受験生が苦手とする分野の出題もありました。
タックス分野では、「税額控除」になるものと「所得控除」になるものの区別、定番の「住宅ローン控除の適用対象者の要件」が出題されました。各種所得の計算方法を問う問題(退職所得・一時所得)は毎回のように出題される3級の論点ですので、正解したい問題です。
不動産分野では、頻出の「建ぺい率」が出題されましたが、問われ方が建築可能面積でなく、建ぺい率自体を問う問題であったため、引っかかってしまった方もいるかもしれません。ただ、その他は定番問題のため、全体としては解答しやすい問題でした。
相続分野では、相続税、贈与税ともに頻出論点である、「配偶者の特例」が出題されました。これはぜひ正解したい問題です。法定相続人および相続分の正確な理解が、この分野の要となります。
また、学科試験といえども計算方法が数問出題されるので、基本的な計算方法は確実にできるようにしておきましょう。
合格点である60%を上回ることは、基本的な学習をしていれば可能ですが、高得点合格または上級資格へのステップアップを考えた場合、各制度についてのしっかりとした理解が必要といえます。
実技試験
傾向および難易度はいつもどおりの内容でしたが、問題の読み取りを間違えてしまうと逆の解答を選択してしまう可能性のある問題が数問見られました。
「キャッシュフロー表」、「会社四季報の読み取り」、「容積率」、「保険証券の読み取り」、「相続人の判定(法定相続分)」、「バランスシート」、「係数の計算」などは、毎回のように出題されている論点でした。
近年は、学科試験と実技試験で、同じ内容の問題が出題されるため、両方の対策となる論点をしっかりとチェックしておくと、得点も上がるでしょう。
いかがでしたか。まずは今回の試験をしっかりと振り返り、今後のステップアップにつなげていきましょう。
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