TAC宅建士講座の才間と申します。
連載「これだけは押さえよう!宅建直前期重要論点(全10回)」、最終回は前回に引き続き、その他関連知識の重要論点について取り上げます。
その他関連知識の重要論点⑤「統計」
勉強のポイント
★例年1問出題されます。細かい数字の暗記を求められるので、「捨て問」にする人が多いですが、捨ててはいけません。
★正確な数値を覚える必要は全くなく、
① 頭3ケタ程度の数字
②「昨年度比で増加したのか否か」もしくは「○年ぶりに増加(減少)」
以上を押さえておけば十分対応できる、素直な問題が出題されます。
★「地価公示」「住宅着工統計(新設住宅着工数)」「法人企業統計(売上高・経常利益)」を特におさえましょう。
問題を解いてみましょう。
平成29年地価公示(平成29年3月公表)によれば、平成28年1年間の地価変動率は、全国平均ではすべての用途で下落した。
以下、回答です。
× 全国平均では、用途ごとに「住宅地が横ばい」、「商業地が上昇」なので、「すべての用途で下落」はしていません。地価公示は、特に全国平均について押さえておきましょう。
その他関連知識の重要論点⑥「景表法」
勉強のポイント
★例年1問出題されます。
宅建業法の「モラル」に似たような問題が出題され、きちんと勉強しておけば高確率でリターンを期待できる箇所です。
丁寧にテキストを読む必要はなく、いきなり過去問を解き始めてしまい、「自分の常識とは違う内容」についてのみ肉付けしていけばよいでしょう。
問題を解いてみましょう。
※一問一答形式です。
(1) 宅地建物取引業者が各種施設までの徒歩による所要時間を表示する場合は、直線距離80mにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示し、また,1分未満の端数が生じたときは1分間として計算して表示しなければならない。
(2) マンションの広告を行う場合、当該マンションが建築後2年経過していたとしても、居住の用に供されたことがなければ「新築分譲マンション」と表示することができる。
以下、回答です。
(1) × 「直線距離」という点が×です。「道路距離」でなくてはいけません。その他の記載は合っています。
(2) × 新築とは、建築後1年未満かつ居住の用に供されたことがないものを指します。そのため、2年経過している場合は新築という文言を表示することはできません。
その他関連知識の重要論点⑦「土地」
勉強のポイント
★土地と建物に関する知識が1問ずつ出題されますが、勉強のリターンを期待できるのは「土地」の方です。キチンと過去問をこなしておきましょう。
★「建物」については、本気で理解をしようとすると、建築士の勉強をしないと対応できません。「木材は湿気に弱い」「コンクリートは圧縮には強いが引っ張りに弱い」程度の知識を覚えておけば十分で、深入りしないことが大切です。
問題を解いてみましょう。
※一問一答形式です。
(1) 台地や丘陵の縁辺部は、豪雨などによる崖崩れに対しては、安全である。
(2) 扇状地とは、山地から河川により運ばれてきた砂礫等が堆積し、平坦地になった地盤である。
以下、回答です。
(1) × 台地や丘陵地は、周辺よりも高さがあるので、水はけがよく、地盤が安定しており崩壊の心配が低いとされています。しかし、縁辺部(端っこの方)だけは別で、崩れやすいので安全とは言えません。
(2) ○ 問題文の通りです。「三角州、扇状地、縁辺部、旧河道」あたりは、勉強をしていないと混乱する可能性のある内容であり、かつ出題可能性も十分ありますので、力の入れどころだと思います。
今回で、当記事は最終回でございます。最後までご覧いただいた皆さん、ありがとうございました。
本試験では、見たことも聞いたこともない難しい問題や選択肢が出題されることもありますが、それらの知識は合否には影響がない「おまけ」的な存在でしかないことがほとんどです。
落ち着いて、自分を信じて、「素直な選択肢」にマークすることを心掛けてください。
本試験まであと少し。踏ん張りましょう!
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