TAC宅建士講座の才間と申します。
連載「これだけは押さえよう!宅建直前期重要論点(全10回)」、第6回の今回も引き続き、宅建業法の重要論点について取り上げます。
宅建業法重要論点⑥「報酬額の計算」
勉強のポイント
★売買・交換の「媒介」と「代理」の、計算方法の比較(「代理」の場合は「×2」をする)。
★「居住用建物」の貸借の場合は、依頼者1人から受領できる額は、原則、「借賃1ヶ月分の2分の1」。
★居住用建物「以外」の貸借の場合において、「権利金」を授受している場合は、それをもとに計算してOK。
このあたりのことを押さえておきましょう。
問題を解いてみましょう。
※一問一答形式です。
(1) 業者Aは、BからB所有の宅地の売却について代理の依頼を受け、Cを買主として代金3,000万円で売買契約を成立させた。その際、Bから報酬として、207万3,600円を受領した。この行為は、宅建業法に違反しない。
(2) 宅地建物取引業者が居住用建物の貸主及び借主の双方から媒介の依頼を受けるに当たって、借主から承諾を得ていなければ、借主から借賃の1.08月分の報酬を受領することはできない。
以下、回答です。
(1) ○ 売買交換の代理の場合、【媒介の計算結果×2】を上限として報酬として受領できます。
【3,000万×3%+6】×2=192万 192万×1.08=207万3,600円
という結果となり、207万3,600円を上限として報酬を受けることができます。
(2) ○ 「居住用建物」の賃貸の媒介の場合、【借賃の半額×1.08】を依頼者の一方から報酬として受けることができます。
この【借賃の半額】ルールは、承諾があれば撤廃することもできますが、承諾がないのであれば、素直に借賃の半額を受け取るしかありません。
宅建業法重要論点⑦「監督・罰則」
勉強のポイント
★「業務停止処分」や「事務禁止処分」は、「1年以内」の期間を定めて命ずることができる。
★「免許取消処分」や「登録消除処分」を下すことができるのは、「免許権者」や「登録権者」だけ。
★宅建業者が「指示処分」を受けても、公告の対象にはならない。
このあたりをきちんと押さえておき、過去問に収録されている基本レベルの問題をなんとなく解いておけばOK。
宅建業法重要論点⑧「住宅瑕疵担保履行法」
勉強のポイント
★毎年のように、同じような問題が出題されていますので、過去問を数問解いておくだけでリターンを期待できます。
「間違え探し」のごとく、ミスリードを誘う問題ばかりですので、よく問題を読みましょう。
深い理解は不要!
問題を解いてみましょう。
※一問一答形式です。
(1) 宅地建物取引業者は、自ら売主として宅地建物取引業者である買主との間で新築住宅の売買契約を締結し、当該住宅を引き渡す場合、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律に基づく資力確保措置を講ずる義務を負う。
(2) 自ら売主として新築住宅を宅地建物取引業者でない買主に引き渡した宅地建物取引業者は、基準日に係る資力確保措置の状況の届出をしなければ、当該基準日以後、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結することができない。
以下、回答です。
(1) × 資力確保措置を講ずる義務を負うのは、「宅建業者が新築住宅の売主」となり、かつ、「買主が宅建業者でない」場合です。そのため、本肢のように買主が宅建業者である場合には、資力確保措置を講ずる義務を負いません。
(2) × 「資力確保措置の状況の届出」をしなければ、その「基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後」においては、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結してはならない…ということになっています。
つまり、新たな契約が締結できなくなるのは、「当該基準日以後」ではなく、「基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後」ということです。
次回(9/25配信予定)からは、法令上の制限の重要論点を取り上げます。
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