こんにちは。オンスクの知的財産管理技能検定3級講座を担当いたしました、株式会社パテントインベストメントの草野です。
連載「知的財産で売上UP!活用法&リスク管理法」 、前々回からは、知的財産の活用方法について説明しています。
今回は、知的財産の活かし方の3つ目、「知的財産権の信用力をお金にする」についてお伝えしていきます。
知的財産権とは、特許、商標、意匠、著作権などの権利を指します。これら知的財産権を取得すると、信用力を得ることができ、結果的にお金に繋がることが多いのです。
知的財産権の取得により信用力を得られる理由
それではまず、なぜ特許などの知的財産権を取得することで信用力を得られるか、見ていきましょう。
① 知的財産権が国に認められた権利であるため
知的財産権は知的財産権法により定められたものであり、知的財産権法という法律は国が定めたものであるため、当然知的財産権は国に認められているといえます。
一般的に、何かしらの国家資格を持っている方は信用力を得られますが、知的財産権に関しても同じことがいえます。
アイデアを知的財産権で保護するということは、国によりアイデアを保護されているともいえるのです。
それだけ知的財産権はしっかりとした権利なのです。
② アイデア等を自分だけが使えるため
知的財産権を取得するとアイデア等が保護され、かつ独占できるので、他人がそのアイデアを模倣した場合は警告したり訴訟をしたりできます。
なので、知的財産権を取得した人や会社だけが、そのアイデア等を使うことが許されるのです。
オンリーワンのものに魅力を感じる人はとても多いので、他にはない商品やサービスを生み出せれば、大きく差別化を図ることができます。
③ 知的財産権を取得するのには労力やお金がかかるため
特許、商標、意匠については、特許庁による登録を受けるために、申請(出願)の書類をしっかり書いてそれを提出します。
この書類をまとめるのが非常に大変で、特に特許については発明の詳細を長文や図面によってしっかり説明する必要があるので、経験のない人が自分自身でまとめるのはほぼ不可能です。
そのため、出願の代理を行うことができる知財の専門家である弁理士に、手続きを依頼するのが一般的です。
特許の書類を自分自身で作成されている方の書類を見ることがよくありますが、正直、特許を取得できる可能性はないと思うような内容が多いです。
それだけ、作成するのが難しい書類なのです。
費用や労力を無駄にしないためにも、弁理士に特許などの出願を依頼した方が絶対に良いかと思います。
弁理士に頼むことで当然費用もかかりますが、それだけしっかり行うことによって、信用をさらに得られます。
アイデアをまとめたり弁理士との打ち合わせをしたり、弁理士や特許庁にお金を支払ったりと、労力と費用をかけた分、権利を取得できる可能性や得られる信用力も上がります。
以上のように、知的財産権を取得すると信用力を得ることができます。それでは得られた信用力をどのようにお金に繋げていけばよいか、次の章でご説明していきます。
知的財産権の取得で得られた信用力をお金にする4つの方法
以下、私が思う有効な4つの方法をご紹介します。
方法① アピール材料として利用する
まず1つ目の方法は、取得した特許、商標、意匠などを顧客に積極的にアピールするというものです。
商品の説明のところに「特許取得」などと書かれたものを見たことはないでしょうか?
サプリメントなどでよく見ます。
皆さんがご存知のバンドエイドの箱の説明欄には、バンドエイドという商品名が商標登録されているという記載があります。
このように、知的財産権の取得を積極的にアピールすることにより、知的財産権の信用が顧客吸引力を発揮するのです。
実際、特許取得技術を使用などと書かれていたら、なんとなく凄いと思いませんか?
特許や商標のことがわからなくても、その響きだけで凄いという印象を与えられるのが、知的財産権の大きなメリットです。
特に知的財産権の中でも、特許はそのような印象を強く持たれます。
私も特許を取得しているので、それをいうと多くの人が凄いと言います!
やはりそれだけのインパクトがあるのです。
また、中小企業や個人の方の多くは知的財産権の重要性を認識していないので、その中で知的財産権を取得したというと、だいぶ際立ちますし、しっかりとした経営をしているという印象を与えることができます。
そのため、自分のアイデアを守ると同時に積極的にアピールすると守りと攻めの両方が可能となります。
つまり、利益を守りながら利益を増やすこともできるのです。
私自身もドローンの事業を行ううえで、特許を取得したことを積極的にアピールしています。
それによって凄いという印象や、しっかりしているという印象を与え、顧客の購買意欲を高めたり他社との提携をしやすくしたりするといった効果を得たいと考えています。
残る3つの方法については、次回でご説明します。ぜひ引き続きご覧ください!
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