預貯金以外の金融商品にもチャレンジしてみたい…そんな初心者が一番頭を悩ませるのが、具体的な運用方法でしょう。
例えば株式だったら、3,000社以上ある上場会社から投資先を選び、買うタイミング、売るタイミングを自分で判断しなければなりません。
そんな金融初心者の方におすすめしたいのが、投資信託です。
理由は、投資=運用をプロにお任せできてしまうから。そう、運用で自分の頭を悩ませる必要がないんです!
今回はそんな「投資信託」の
- 投資信託のしくみ
- 投資信託の種類
- 投資信託の購入先は?
- 投資信託のメリット・デメリット
などについて、FP(ファイナンシャルプランナー)の筆者が詳しく解説します。
「私は金融商品初心者」という自覚のある方必見の内容です。ぜひ最後までお付き合いください。
FPが教える基本の資産運用商品(全7回)
- 初心者にこそ金融商品知識が必要な理由
- 金融商品① 意外と知らない「預貯金」
- 金融商品② 「株式投資」は好きな企業の応援団
- 金融商品③ 安心度高め!初心者向き「債券」
- 金融商品④ 少額資金で運用はプロに!「投資信託」
- 金融商品⑤ 怖いようで怖くない!「外貨商品」
- 金融商品⑥「保険商品」は貯金が苦手な人向き<
「投資」は「信」じられるプロに「託」す~投資信託のしくみ~
運用はプロにお任せ
投資信託は、ファンドとも呼ばれます。
広く一般の投資家から資金を集め、プロのファンドマネージャーが数十から数百もの株式・債券などに投資します。
株式からは配当金、債券からは利息といったインカムゲインのほか、それらを売買した場合の売却益といったキャピタルゲインが得られます。
それらをまとめ、出資額に応じて投資家に分割配分するしくみになっています。
元本割れの可能性がある
プロのファンドマネージャーが運用する投資信託ですが、運用に失敗して資産を減らしてしまう場合もあります。
そのような場合は当初の出資額を下回る「元本割れ」の可能性があります。
また運用をすべてお任せするだけに、「販売手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」といった手数料が高くつく点にも注意が必要です。
投資信託自体を売買することも可能
投資信託に投資する時は、実際には「投資信託」という金融商品を購入します。
購入した投資信託は市場で流通していますので、売買することが可能です。
そのため購入した投資信託が運用益、配当などの成果によって価格が上がっている時に売却すれば、売却益を得ることもできます。
ただし逆に価格が下がれば売却損が出てしまう場合もあります。
少額からチャレンジでき、分散投資も手軽にできる
例えば1株数百万円もするような株式は、金融商品の初心者が気軽に投資できるものではありません。
しかし投資信託であれば数百人、数千人から少しずつ集めた資金をまとめて投資するため、このような株式にも少額の資金で投資できることになります。
また投資の格言に「卵は1つのかごに盛るな」というものがあります。
卵を盛っているかごが1つの場合、そのかごを落とすと全部の卵が割れてしまいますが、複数のかごにわけて盛っておけば、1つのかごを落として卵が割れてしまっても、他のかごの卵は無事です。
このように特定の株や債券といった金融商品に投資するのではなく、複数の商品に投資を行い、リスクを分散させよう、ということなのです。
自分1人で分散投資をしようとすると資金がかかります。
その点投資信託であれば、少ない資金でも分散投資ができるというわけです。
インデックス運用とアクティブ運用
運用はプロに任せる投資信託ですが、運用方法は2種類あり、商品によって選択可能です。
インデックス運用
日経平均など特定の指数に値動きが連動するように運用を行うタイプです。
平均的な指数に準じた動きをするため大きな運用ミスもありませんが、大きな成果も見込めません。
アクティブ運用
アクティブ運用は、ファンドマネージャー自らが株や債券などの銘柄を選び、タイミングをはかって売買するタイプです。
運用ミスがあれば大きな損失がでるリスクがありますが、運用がうまくいけば大きな成果が見込めます。
分配金受取型と再投資型
投資信託では、年1回以上決算が行われます。
運用で利益が出た場合にはその利益が「分配金」として投資家に支払われます。
「分配金受取型は」決算のたびに分配金を受け取るタイプで、「再投資型」はその分配金を再度投資するタイプです。
投資対象によって種類がある
運用に関してはプロに任せる投資信託ですが、「何に投資するか」といった投資対象は選択することができます。
国内株式型
日本国内の株式に投資する商品です。債券型に比べハイリスクハイリターンになります。
外国株式型
海外の株式に投資する商品です。国内株式型のリスクに加え、為替変動リスクもありますが、リターンは大きいタイプです。
国内債券型
日本国内の債券に投資する商品です。金利リスク、インフレリスクはありますが、株式型に比べ安定したリターンが期待できます。
外国債券型
海外の債券に投資する商品です。国内債券型のリスクに加え、為替変動リスクがあります。
バランス型
株、債券、国内、海外の様々な金融商品を組みあわせて運用する商品です。
さらに細かな分散投資効果を期待することができます。
不動産投資信託
株や債券ではなく、不動産に投資をする投資信託です。
J-REIT(ジェイリート)と呼ばれています。
投資信託はどこで買える?
投資信託は、銀行や証券会社の窓口、またネット証券などで購入することができます。
ただ窓口購入は手数料が高くつくので、金融商品の初心者の方にはおすすめしません。
ネット証券に取引口座を作り、そこで購入することをおすすめします。
投資信託のメリット・デメリット
投資信託のメリット
- 実際の運用はプロに任せることができる
- 少額の資金で始められる
- 分散投資が手軽にできる
投資信託のデメリット
- 元本割れの恐れがある
- 値下がりリスクがある
- 手数料が高い
積立投信を利用すれば「時間」の分散投資もできる
投資信託の中には積立預金のように、毎月一定額づつ購入できるタイプのものもあります。
このようなタイプを「積立投信」といいますが、購入する時期を1ヵ月毎にずらすことになるので、運用先を分散する通常の投資信託のメリットにプラスして、「時間」の分散投資もできるのです。
少しずつコツコツと続けられるので、金融商品の初心者の方にも始めやすい商品です。
投資信託を検討する時はぜひ選択肢に入れてみてください。
投資信託はファイナンスの知識で最も重要とされる「分散投資」を学ぶことができる金融商品です。
今まで紹介した株式や債券と組みあわせ、「お財布を守る」武器としていきましょう。
また、このような知識はFP3級を学ぶと手に入ります。今回お読みいただき「金融商品のことをもっと知りたい」と思った方は、FP3級を勉強してみるのもおすすめですよ。
今回までは「円」での資産運用を紹介してきましたが、次回は外国のお金で運用する「外貨建て商品」について詳しく解説します。
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