はじめまして。この『恋愛簿記 ~男と女の会計学~』は、「簿記や会計の理屈を理解するのに、恋愛に置き換えてみよう」という全12回の連載シリーズです。みなさんの簿記学習の役に立てば幸いです…
…という趣旨もありますが、「恋愛でうまくいかないアナタのために、簿記や会計の考え方に置き換えてみよう」という側面もあります。(さてどちらのニーズが多いでしょうか?)
では第1回となる今回は、貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)しについてです。
貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)
それぞれの目的を端的に言えば、貸借対照表は現在の財産や借金の状況を見るために、損益計算書は1年間の儲かり度合いを見るために役立つ書類です。
歴史が古いのはB/Sです。「投資」という概念がなく、資金を「借入」で調達していた頃、金貸しさんは会社の「財産状況」を見ることによって、お金を貸すかどうかを決めていたようです(返せるだけの財産があれば安心…ということですな)。
一方、「投資(株式投資)」という概念が生まれた近代の伝統的会計理論ではP/Lを重視します。
投資家さんは、会社の儲ける力を見ることによって、将来の株価の値上がり・配当金の利回りなどを予測することができます(株式投資の場合は確定額が返ってくることがないので、未来の儲ける力が重要…ってことですな)。
あなたはどっち派?
さて、あなたがお付き合いする「パートナー」を選ぶときは、どちらを重視しますか。
B/S派
いまの現在の財産状況を重視。お金持ちのボンボン大歓迎!
P/L派
ビジネス感覚・将来性を重視。今は貧乏でもいい!
B/S派の方は、パートナーの現預金の額や資金の運用形態(資産)だけでなく、調達側(負債・純資産)もきちんと見ることでしょう。「10億円の資産」に目がくらんで付き合ってみたら、「9億9999万円の負債(借金)」があった…(純資産は差し引き1万円)ではシャレになりませんからね。
P/L派の方は、パートナーの月収や金遣いの状況を細かく見ることでしょう。どれだけ収入(収益)が良くても、支出(費用)が多ければ、当期純利益が残りません。当期純利益は、「株主」であるあなたへの「配当金(プレゼント?)」の原資になりますから、とても重要です。
いまモテモテなのは?
恋愛における「正解」はみなさんの考え方次第でしょうが、現在の簿記のルールは近代の伝統的会計理論がベースとなっており、P/L重視(儲けをちゃんと計算することを重視)となっています。
儲ける力のない恋人(会社)は、次々と乗り換えられ(株を売られ)ちゃう世界です。
だから、今後の記事でも取り上げますが、P/Lの期間帰属をきちんとするための決算整理などが重要になるのです(ここだけちょっとお勉強でしたっ)。
ところが、近年の経済のグローバル化に伴う会計ビッグバンの影響により、国際的にはB/S重視の会計に変化しつつあります。我が国も少しずつB/S重視の会計基準に代わっています。
やっぱり最後に信用できるのは、いま現在の預金残高なのかぁ…!?
次回はお付き合いするまでのアプローチのお話をしていきますね。お楽しみに。
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