みなさんこんにちは。「試験直前予想!これだけは押さえる鉄板論点」最終回の第6回は、「ビジネスにかかわる家族法」の分野です。民法の“親族・相続”の問題です。
この“親族・相続”の分野は、毎回必ず出題されます。毎回幅広い論点から出題されていますが、「夫婦間の財産関係」、「遺言の撤回」、「相続分」の出題が若干多いと思いますので、まずこの3つの論点の鉄板過去問をみていくことにします。
鉄板過去問にトライしよう!
鉄板過去問
① 民法上、夫婦が婚姻生活で得た財産は全て夫婦の共有財産となるため、婚姻中に夫婦の一方が相続によって取得した財産も夫婦の共有財産となる。(第39回第6問エa,第38回第1問キ,第35回第7問7-1)② Xは、配偶者Yに自己の財産をすべて相続させる旨の遺言を作成した。この場合、民法上、Xは、その生存中に当該遺言を撤回することができない。(第39回第1問ケ,第37回第9問9-2,第35回第1問オ)③ Aには配偶者Bと子CおよびDがいる。その後Aが死亡した場合、B、CおよびDの法定相続分はそれぞれ相続財産の3分の1である。(第39回第4問エ,第38回第9問9-2,第36回第10問オa)
① × → 夫婦別産制が原則であるため、婚姻中でも相続財産のように“自己の名で取得した財産”は、取得した者の“特有財産”となる。“共有財産”となるのは、“夫婦のいずれに属するか明らかでない財産”である。
② × → 遺言者の生存中は、遺言は自由に撤回できる。やさしいが、何度も出題されている。
③ × → まず、配偶者Bの相続分は2分の1で確定。次に、残りの2分の1を子C、Dで均等に分けるので、1/2×1/2=1/4となり、C、Dは4分の1ずつとなる。法定相続分については、もう一度テキストで確認しておくこと。
親族・相続の分野では、「文章穴埋め形式」の問題もよく出題されます(第38回9-2,第37回9-2,第35回7-1等)。前回の第39回では「文章穴埋め形式」での出題はありませんでしたので、皆さんが受験する第40回は要注意です。
予想問題にチャレンジしよう!
最後に、予想問題です。
予想問題
① 夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたことによって生じた債務は、当該法律行為を行った者が単独で負担する。
② Aには配偶者Bと子CおよびDがいる。その後Aが死亡した場合、Bが相続について単純承認をした場合は、CおよびDは限定承認をすることはできない。
① × → いわゆる“日常家事債務”については夫婦が“連帯して”責任を負う。債権者は夫婦の一方に対して、“全額”の支払いを請求できる。2分の1ずつ負担するのではない点に注意。
② ○ → そのとおり。“限定承認”は“相続人全員”でする必要がある。本肢の場合、限定承認をする場合は、B、C、Dの3人でしなければならない。なお、相続放棄した者がいる場合は、その者は相続人ではなくなるため、“放棄した者を除いた残りの全員”で限定承認することができる。
以上、全6回にわたり「ビジネス実務法務検定試験®3級」の出題範囲の中から、出題可能性の高い論点に関して、ピンポイントにみてきました。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
試験まで残りわずかです。試験までにもう一度、お手持ちのテキスト、問題集に“サッ”と目を通しておいてください。その際、太字になっているキーワードはしっかりチェックですよ!
みなさまの合格を心よりお祈りしております。
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