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ビジネス実務法務3級の科目別勉強法「債権の管理と回収」を解説!

ビジネス実務法務3級の科目別勉強法「債権の管理と回収」を解説!

ビジネス実務法務3級の出題範囲のうち、「債権の管理と回収」は大きなウエイトを占める分野です。

債権というと、金融機関や経理部門の人以外はいまいちピンとこないかもしれません。しかし取引先との売買代金も債権にあたるため、営業や営業事務といった顧客と直接関わる部門でも債権管理の知識は必要です。

連載「ビジネス実務法務3級の科目別勉強法」、5回目の今回は、いろいろな場面をシミュレーションして考え、より理解を深める勉強法を解説します。

ビジネス実務法務3級試験科目
1. ビジネス実務法務の法体系 (連載第3回
2. 企業取引の法務 (連載第4回
3. 債権の管理と回収 ←今回はココ!
4. 企業財産の管理と法律
5. 企業活動に関する法規則
6. 企業と会社のしくみ
7. 企業と従業員の関係
8. ビジネスに関連する家族法

「債権の管理と回収」とは?

ビジネス実務法務3級の公式テキストの第3章「債権の管理と回収」は、実際の会社業務で使われることの多い、実践に役立つ内容です。

債権とは、相手に対して一定の給付をするように請求できる権利のことで、売買代金債権や貸金債権などがあります。

ビジネス実務法務3級の公式テキストに記載された当科目の学習内容は、以下の通りです。

・通常の債権の管理
・取引の決済(手形・小切手等)
・債権の担保
・緊急時の債権の回収

債権の消滅や債権担保、緊急時の債権回収手段のほか、債権の支払い時に使われる手形・小切手についても、出題範囲に含まれています。

手形・小切手は金融機関や経理部門以外の人にはなじみの薄いものですが、例えば営業職が顧客から“支払いは手形を裏書きして渡します”と言われたときに、“それは何ですか?”と答えてしまうと会社の信頼に関わります。適切な対応ができるよう、決済手段の基礎知識として学んでおきたい内容です。

手形・小切手での決済

銀行振込やインターネットバンキングの普及で、取引決済で手形や小切手を使う会社は減少傾向にあります。
今まで会社で手形や小切手を扱ったことがないという会社員も少なくないでしょう。手形・小切手はどのような時に使われる決済手段なのか、いまいち想像できない人もいるのではないでしょうか。

例えば家を建てる際に、家の完成前に建築会社へ代金全額を支払うことはありませんね。多くの場合、建築会社へ頭金以外の代金を支払うのは家が完成した後です。
そのため建築会社は、顧客から代金を受け取る前に家を建てなければなりません。しかし、建築資材の調達にはお金が必要です。

こういったときに、建築会社は資材調達の支払いに約束手形を使うことで、資材代金の決済時期を家の完成後(顧客から代金支払いを受けた後)に指定できます。
資材を販売する会社も、約束手形であれば代金の回収が確実だということで、安心して資材を売り渡せるのです。

2019年中に日本国内で使われた小切手や手形の総額は、約183兆円になります。手形や小切手で決済を行う会社がある限り、あなたもいつか手形や小切手を取り扱うことがあるかもしれません。

今はなじみがなくても、社会人の最低限の知識として覚えておきたいですね。

仕事で役立つ「債権の管理と回収」の知識

ビジネス実務法務3級の「債権の管理と回収」の学習内容には、仕事に直結する内容も多くあります。実際の業務上の取引に置き換えてシミュレーションする勉強法が、理解も深まりやすいでしょう。

例えば、何ヵ月も商品代金を支払わず、のらりくらりと逃げ続けている取引先がいたとします。
この取引先に対して、支払催促をせず何も法的措置を取らないでいると、5年経てば時効により債権は消滅し、商品代金を回収することができなくなります。つまり、相手の“逃げ得”になってしまうのです。

このように現実に起こり得るリスクに備えるため、一般の会社でも“A社の支払いが遅れがちだが、債権回収を早めるべきだろうか?”と担当者が協議することはよくあります。

「債権の管理と回収」は、実際の仕事上でも役立つ知識と言えますね。

生活で役立つ「債権の管理と回収」の知識

これまでのビジネス実務法務3級の試験の傾向として、保証債務や連帯債務といった人的担保に関する内容と、担保物件や抵当権といった物的担保に関する内容の出題が多くなっています。

これは企業間取引だけではなく、住宅ローンの担保や抵当権、借金の保証人など、個人の生活にも身近な内容といえます。

親世代や会社の人から“軽々しく連帯保証人になってはいけない”と聞いたことはありませんか?
連帯保証人は単なる保証人とは異なり、債務者が支払わなかった債務の肩代わりを求められたときに、催告の抗弁権検索の抗弁権を行使できません。

これはどういうことかというと、例えば、あなたが友人の借金の連帯保証人になったとしましょう。
友人が借金を返さず音信不通になり、債権者から“連帯保証人が払ってください”と要求されたとき、連帯保証人のあなたは“先に友人の実家に請求して(催告の抗弁権)”や“友人の銀行口座を差し押さえて(検索の抗弁権)”などのような抵抗ができません。友人の借金は、あなたが支払うことになります。

これが連帯保証人という制度であり、そのために“軽々しく連帯保証人になってはいけない”と忠告する人が多いのです。

このように、実際の事例をシミュレーションする勉強法で、すぐに役立つ法律の知識を身に付けることができるのも、ビジネス実務法務3級の大きなメリットといえます。

「債権の管理と回収」は経理部門以外の人にはわかりにくい事例も多いため、練習問題をこなすことも必要です。スキマ時間にいつでも取り組めるオンライン講座などを活用する勉強法もおすすめですよ。

ビジネス実務法務3級の出題項目別勉強法

今回の「債権の管理と回収」では、仕事や生活で実際に起こり得る事例をシミュレーションする勉強法について説明しました。

次の第6回では、重要用語の多い「企業財産の管理と法律」のポイントを解説していきます。

ビジネス実務法務3級講座

参考URL:
https://www.kentei.org/houmu/testinfo.html
https://www.zenginkyo.or.jp/stats/year1-01/2019/

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