あなたは仕事上で「こんなことも知らないのか」「そんなの常識だろう」と言われてしまったことはありませんか?
営業や総務といった部署に関係なく、ビジネスパーソンとして知っておくべき法律の基本的な知識を身に付けられる資格として「ビジネス実務法務検定試験®」が人気を集めています。
これから全9回の連載で、ビジネス実務法務3級の合格者である筆者が、モチベーションアップにつながる実践的な勉強法を紹介していきますのでぜひご覧ください。
ビジネス実務法務3級とはどんな検定?
ビジネス実務法務検定試験®は、東京商工会議所が主催する民間資格です。
会社員・自営業を問わず、営業、販売、総務、人事など様々な場面で必要になる法律知識を体系的に習得できます。
なかでも入門編であるビジネス実務法務3級は、社会人として「常識的にこうだろう」という内容から「法律では厳密にはこうだったのか」と意外に思う内容まで、試験勉強を通して今後も役立つ実践的な知識を身に付けられるのが大きなメリットです。
ビジネス実務法務検定試験®は1級から3級までのレベルに分けられており、入門編である3級では、基礎的な法律知識を想定した問題が出題されます。
3級の試験は例年、6~7月と12月の2回行われています(2020年は6月・12月の試験日程でしたが、6月は中止となりました)。試験時間は2時間で、すべてマークシート方式です。3級は100点満点中70点以上で合格になります。
試験問題は多方面の法律から出題されるため、効率的な勉強法で学習を進めることが大切です。
ビジネス実務法務3級 出題傾向オンスク事務局注:
ビジネス実務法務検定試験®2級・3級は、2021年度からCBT試験方式(※)が導入されています。
※紙の問題用紙・解答用紙を使わず、パソコン上で受験する方式
ビジネス実務法務3級の難易度と合格率
ビジネス実務法務3級の試験では、基礎レベルの法律実務が問題として出題されます。売買契約や賃貸借契約などに関わる民法が出題範囲の約半分を占め、商法・会社法や知的財産法なども頻出問題です。
会社員として数年間働いた経験がある人なら比較的簡単に勉強を進めることができ、難易度は低めといえるでしょう。
社会人経験の少ない新入社員であれば、いまいちピンとこない内容も多いかもしれませんが、法律的には基礎レベルの問題なので、特別な勉強法でなくともテキストをしっかり読み込んで情報を整理すれば合格が望めますよ。
ビジネス実務法務3級の合格率は、2018年度が79.3%、2019年度が75.1%と比較的高めに推移しています。
日商簿記検定3級の2019年度平均合格率が49.2% 、秘書検定3級の2019年11月試験の合格率が52.5%ですから、試験分野が異なるとはいえ、ビジネス実務法務3級は比較的取得しやすい資格といえますね。
ビジネス実務法務3級の勉強法は?
ビジネス実務法務3級は、合格までに必要な勉強時間はおおむね60時間程度といわれています。
独学でも1日1~2時間ほど時間を確保すれば、出題範囲の勉強は1~3ヵ月で完了できるでしょう。
法律の条文を覚える必要はなくとも、「こういう時は、こうなる」という判断ポイントを押さえた学習が大切です。公式テキストと問題集を順番に解いていく方法でも構いませんが、オンライン学習サービスなどで要点を押さえた講義を受けるのも効率のよい勉強法ですよ。
学習を進めると同時に、実際の自分の仕事に置き換えて理解を深める勉強法も取り入れましょう。
ビジネス実務法務3級では売買契約や賃貸借契約など仕事上でよく直面する法律の知識が問われるため、テキストを丸暗記するよりも「自分ごと」として現実の業務に置き換えて考えることで、仕事への理解も深まり「忘れにくくなる」という効果があります。
また、顧客との取引だけではなく労働法の知識も出題範囲ですので、会社からのパワハラやセクハラなどから自分を守るための知識も身に付けられます。
学習期間中でも着実に仕事や生活の役に立つ実感があると、モチベーションも上がりますね。
社会人経験が浅くても、アパートの賃貸借契約やフリマアプリの売買契約、会社との労働契約など、テキストの内容を身近な問題に置き換えて考えてみることで、実務的な考え方が身に付いていきますよ。
キャリアアップとビジネス実務法務3級
ビジネス実務法務3級は、今まで法律を勉強したことがない人でも取り組みやすい基本的な内容が出題範囲で、今後の仕事の土台となる知識を効率よくインプットできる資格です。
社内でのキャリアアップや転職でのキャリアチェンジを考えている人には、法律を扱う専門的な資格の事前勉強にビジネス実務法務3級が最適です。宅建や行政書士、社会保険労務士などの専門的な資格にチャレンジする前に、効率よく法律の基礎を身に付けられますよ。
今回は、ビジネス実務法務3級の概要と、実際の仕事に繋がる勉強法を説明してきました。
次回はビジネス実務法務3級の出題範囲と試験の配点、全体的な傾向と押さえるべきポイントを詳しく解説します。
参考URL:
https://www.kentei.org/houmu/data.html
https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/candidate-data/
https://jitsumu-kentei.jp/HS/totalize/contents
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