2016年6月12日(日)に実施された第143回 日商簿記3級 試験解答(試験講評)になります。前回の第142回試験と比べると、第4問・第5問の配点が若干変わったようですね。(3級の配点はたまに変わることもあります) 試験の振り返り、次回以降の対策として参考にしてくださいね。
第143回 日商簿記3級 試験解答(試験講評)
全体
第3問以外の問いは平易ですが、第3問の残高試算表作成問題は難易度が高く、配点が 30 点であることから、平均合格率(全国)は 20%前後と思われます。
第1問(20点)
取引に関する仕訳問題です。2.および3.については当店負担の金額の処理について注意する必要があります。4.は搬入設置費用を取得原価に含めること、および、残額の翌月以降の分割払いについて未払金で処理する点に注意する必要があります。第1問では最低でも 16 点を狙いたいところです。
第2問(10点)
取引発生時にどの補助簿に記入するかを選択する問題です。すべての取引を仕訳したうえで、商品有高帳に記入する場合に気をつけながら解答すれば、満点が狙える問題です。
第3問(30点)
残高試算表作成の総合問題です。勘定の体系を正確に理解しているかどうかに主眼を置いた総合問題であり、このようなかたちでの出題はとても久しぶりになります。不明箇所の推定が多く、それを解答するにあたり問題用紙のみならず答案用紙からも情報を拾い出す必要があり、とても難易度の高い問題です。解答が比較的平易な前払金・支払手形・水道光熱費・支払家賃などを取りこぼさず、14 点~16 点を得点したい問題です。
第4問(8点)
伝票記入の問題です。(1)のいったん全額を掛取引として起票する方法と(2)の取引を分割する方法により伝票を起票する問題です。典型的な出題であり、満点が狙える問題です。
第5問(32点)
[決算日に判明した事項]を適切に処理した後に、決算整理を行う精算表作成の総合問題です。売掛金の修正を含めたうえで貸倒引当金の設定を行う点、および、売上原価の計算を(「仕入」ではなく)「売上原価」の行で行う点に注意が必要です。全体的には平易な内容であり、21 点~24 点は得点したい問題です。
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