こんにちは。オンスク行政書士講座、担当の藍澤です。
これから「時事問題で学ぶ行政書士試験」と題し、折々のニュースの中から行政書士受験生に役立つものを取り上げ、学習のポイントを解説していきます。
時事ネタですので、もちろん行政書士受験生以外の方でも興味を持っていただけると思います。よろしければぜひご覧になってください。
本日取り上げる時事問題は「自民党総裁選」です。
2018年9月20日に、安倍晋三 自民党総裁の任期満了に伴う総裁選が行われました。安倍晋三首相が石破茂元幹事長を破り、連続3選を果たしました。
日本は国会で内閣総理大臣を指名するので(憲法67条)、通常、国会で1番議席数が多い政党の党首が総理大臣に指名されます。
つまり、自民党の総裁選は、事実上の内閣総理大臣を選ぶ意味をもっています。
このことからも、単なる自民党内部の話ではなく、多くの国民の関心を集めました。
総裁選に立候補するには、
① 党所属の国会議員であること
② 党所属の国会議員20人の推薦があること
が必要です。過去には20人の推薦人を集めることができずに、立候補を断念した国会議員もいました。
また、投票は自民党の国会議員と、自民党員が行います。
今回立候補をしたのは、安倍晋三首相と、石破茂元幹事長の2人でした。2人は、お互いに違いをはっきりさせるため、日本の抱える様々な問題に対してまったく異なる主張を述べていました。
例えば、2018年は自然災害がとても多い年でした。
災害対策について、安倍首相は「全省庁が力をあわせて取り組み、それを首相が糾合する」と主張したのに対し、石破元幹事長は「自然災害に備えるために、専門の行政部署を設置するべきだ」と主張していました。
日本は災害が多く、これからも起こることが予想されます。どこが担当するにしても、起こってしまってから「予測できなかった」ではなく、日頃からの対策が必要ですね。
行政書士受験生 注目ポイント
その中でも、行政書士受験生が注目したのはきっと、「憲法改正」に対する2人の主張ですね。
安倍首相は、「自衛隊員が誇りをもって任務を全うできるように、憲法に自衛隊を明記したい。」と主張しました。日本国憲法は「戦力の不保持」を宣言していますが、自衛隊を戦力と考えた場合、自衛隊の存在は違憲ではないかという論争があるからです。
もしも、日本国憲法に「自衛隊」と明記されれば、憲法が自衛隊の存在を認めているということになり、違憲論争は起こりません。
このように、安倍首相が憲法改正に積極的であるのに対し、石破元幹事長は「あまり緊急性はない」と改正に消極的でした。
行政書士受験生は、96条の「憲法改正の流れ」をしっかり読んでおきましょう。
憲法改正は、
両議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が発議
↓
国民の投票で、過半数が賛成
↓
天皇が国民の名で公布
という流れです。
この流れで憲法を改正することはできますが、とても厳しい手続きが必要なので、いまだ改正されたことはありません。
このように、通常の法改正よりも厳しい手続きでのみ改正できる憲法を、「硬性憲法」ということもあわせて覚えておきましょう。
行政書士受験生 注目ポイント まとめ
96条「憲法改正の流れ」を押さえておきましょう。 「硬性憲法」とは何かを説明できるようにしておきましょう。
憲法改正を積極的に進めたい安倍首相が自民党総裁に選ばれたということは、近いうちに国会の発議がなされ、私たちが国民投票をすることになるかもしれません。
日本国憲法の三大原理の1つに「国民主権」があるように、日本のあり方を最終的に決めるのは、私たち国民です。
せっかく憲法について勉強するのですから、試験勉強で終わらせるのではなく、一人ひとりが憲法について意見を持つことが大切だと思います。ぜひ1度、憲法改正について考えてみてくださいね。
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