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2020年宅建試験に出る民法改正点を徹底解説|⑪ 債権譲渡 その2

2020年宅建試験に出る民法改正点を徹底解説|⑪ 債権譲渡 その2

民法が約120年ぶりに改正され、改正法が2020年(令和2年)4月1日から施行(一部の規定は未施行)されます。
本連載では30回に渡り、2020年度宅建試験に出題の可能性のある民法改正点に焦点を当てて解説をしていきます。

今回のテーマは前回に引き続き、債権譲渡に関する改正点です。
債権譲渡については、宅建試験では、近年は、1年おきに出題される傾向にあります。
昨年(2019年)は出題がありませんでしたので、今年(2020年)は出題される可能性がきわめて高いと予想します。
改正点を中心にしっかりと知識を固めておくことが必要です。

以下の各項目の本文中、赤字にした箇所は、宅建試験に出る可能性がある重要ポイントですので、必ず押さえるようにしてください。

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3. 譲渡制限特約付債権にかかる債務者の供託

譲渡制限特約があるにもかかわらず、債権譲渡が行われた場合において、二重譲渡や差押えの競合があるときは、債務者は、だれが債権者であるかが分からなくなってしまい、そのために思わぬ紛争等に巻き込まれるおそれがあります。

そこで、新民法は、債務者が紛争等に巻き込まれることを防止するために、以下のような供託の制度を新設しました。

① 債務者は、譲渡制限の意思表示がされた金銭の給付を目的とする債権が譲渡されたときは、その債権の全額に相当する金銭を債務の履行地(債務の履行地が債権者の現在の住所により定まる場合にあっては、譲渡人の現在の住所を含む。以下同じ。)の供託所に供託することができる(新民法466条の2第1項)。

② 供託をした債務者は、遅滞なく、譲渡人および譲受人に供託の通知をしなければならない(新民法466条の2第2項)。

③ 供託をした金銭は、譲受人に限り、還付を請求することができる(新民法466条の2第3項)。

4. 譲渡制限特約と差押え

債務の履行がされない場合、最終的には、債権者は、債務者の財産に対して差押えを行い、強制執行によって債権の回収を図ることになります。
債権に対する強制執行の場合には、債権譲渡の譲受人と同様に、差押債権者が、その差し押さえた債権の債務者(第三債務者)に対して債務の履行を求めていくことになります。

ただ、差押債権者を債権譲渡の譲受人と全く同様の扱いをしてしまうと、差押えの対象となった債権に譲渡制限特約が付いており、差押債権者がその特約につき悪意または重過失の場合には、第三債務者は、差押債権者に対する履行を拒絶できることになってしまいます。そうなると、強制執行により債権の取立てをされたくないと考える第三債務者は、譲渡制限特約を付けておけば強制執行を回避できることになります。

しかし、これでは、私人間の合意だけで事実上差押禁止財産を作り出すことができることになり、妥当ではありません。
そこで、新民法は、譲渡制限特約が付いた債権が差し押さえられた場合について、次のような規定を新設しました。

第466条第3項の規定は、譲渡制限の意思表示がされた債権に対する強制執行をした差押債権者に対しては、適用しない。」(新民法466条の4第1項)。すなわち、譲渡制限特約が付いた債権の債務者は、差押債権者に対しては、その特約の効力を主張できない(債務の履行を拒めない)とされました

新民法の下での譲渡制限特約の効力

上図において、AのBに対する譲渡禁止特約付債権をAに対して債権を有するCが差し押さえた場合、Cが特約の存在につき悪意または重過失であるときでも、Bは、Cに対して債務の履行を拒むことはできません。

なお、「譲受人その他の第三者が譲渡制限の意思表示がされたことを知り、または重大な過失によって知らなかった場合において、その債権者が当該債権に対する強制執行をしたときは、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもって差押債権者に対抗することができる。」(新民法466条の4第2項)という規定も新設されました。

つまり、債権に譲渡制限特約が付いている場合、債務者は、悪意または重過失の譲受人に対する履行を拒むことができますが、その譲受人に対する債権者が、譲渡制限特約の付いた債権を差し押さえたときにも、債務者(第三債務者)は、差押債権者に対する履行を拒むことができるのです。

これは、差押債権者に、譲渡制限特約につき悪意または重過失の譲受人が有する権利以上の権利を認めて保護するのは妥当でない、との理由によるものです。

新民法の下での譲渡制限特約の効力

上図において、AのBに対する譲渡禁止特約付債権が、特約の存在につき悪意または重過失のCに譲渡されたあとで、Cに対して債権を有するDが、その譲渡禁止特約付債権を差し押さえた場合、Bは、Dに対して債務の履行を拒むことができます。

2020年宅建試験に出る民法改正点を徹底解説|⑫ 債権譲渡 その3)へ続きます)

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